[PR]

 電子機器を扱う直方市の2企業が、新型コロナウイルス対策の機器を相次いで開発した。室内が「3密」になる前に警告が出たり、立ち止まらずに検温を受けられたり。「新しい生活様式」を受け入れやすくする工夫を凝らしている。(遠山武)

     ◇

 室内の3密が進むと人の吐く息に含まれる二酸化炭素(CO2)の濃度が高くなることに着目した「サイバネテック」は、CO2濃度が一定の値を超えると注意を促す機器を開発した。

 大気中のCO2濃度は400ppm程度で、厚生労働省は室内の環境基準を1000ppm以下と定める。

 開発した機器はセンサーでCO2濃度を測定し、「通常」(700ppm未満)▽「注意」(700~1000ppm)▽「警戒」(1000ppm超)と3段階で表示。警戒レベルになると警告音が鳴る。CO2は濃度が上昇しても気づきにくいが、室内が3密状態に近づくと自動的に教えてくれる仕組みだ。

 機器は気温や湿度も表示。各データは7日間分記録され、外部メモリーカードで保存可能だ。そのデータから、効率的な換気の仕方や入室人数の適正化などに役立てられるという。

 同社は先月20日、直方市を通じて市地域子育て支援センターに機器1台を寄贈。同センターが、職員3人がいる状態で事務室を閉め切ったところ、1時間で700ppmの注意表示が出た。職員は「換気が必要になる目安になった」と話す。

 商品名は「CO2ロギングメーター」。8月中に1台4万5千円程度(税抜き)で発売する。

     ◇

 「アドバンテックテクノロジーズ」が開発したのは、不特定多数の人が出入りするイベント会場などで入場者の体温を瞬時に、しかも最大30人ほどを一度に測定できるシステムだ。

 サーモカメラで人の顔を認証するとその額に赤外線を当てて体温を測定する。人が7メートルまで近づくと自動測定し、映像と体温とがパソコンに記録される。

 同社は直方市とともに、行政現場での運用を確認する実証実験を始めている。

 5日は上頓野小学校で児童昇降口の廊下にカメラを据えた。480人の児童が短時間に次々と校舎内に入ったが、市によると、滞留することなく検温できた。このほか、乳幼児健診の会場でも7月中旬から実証実験を繰り返している。

 こうした会場での体温測定は一般に、入場者が立ち止まり、担当者が1人ずつ非接触型体温計を額に当てている。今回のシステムだとその手間が省けるため、入退場の流れが滞らず、会場側も省力化できる。

 同社によると、このシステムでは入場した人が退場したかどうかも、顔認証で識別できる。来場中の人数変化が把握できるため、3密回避の入場制限もしやすくなるという。

 システムはサーモカメラや専用パソコン、モニターなど標準セットで100万円前後。