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 令和2年大阪府高校野球大会(府高野連主催、日本高野連、朝日新聞社など後援)は最終日の10日、大阪シティ信用金庫スタジアムで準決勝2試合があった。関大北陽は三回に一挙14点を奪って優位に立ち、大阪学院大にコールド勝ちした。甲子園交流試合の出場校同士による一戦は、履正社が大阪桐蔭に先行を許したものの、序盤から集中打を見せて逆転した。今大会はこれで打ち切られ、大阪の頂点をめざした球児たちの夏は幕を閉じた。

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 九回表、履正社の三塁手、小深田(こぶかた)大地君(3年)は、大阪桐蔭の最後の打者の飛球が右翼手のグラブに収まったのを見届けると、「よっしゃ!」と拳を硬く握った。

 「この大会で一番しんどい試合だった」。張り詰めていた緊張から解放されたように、笑顔がこぼれた。

 「大阪桐蔭に勝たなければ甲子園には行けない」。大阪の頂点を目指そうと決めたからには、大阪桐蔭は意識せざるをえない相手だった。

 2010年以降、選手権大阪大会決勝や春の選抜大会の決勝などで履正社は大阪桐蔭と22回対戦し、7勝15敗。特に「秋には勝てても夏に勝てない」と言われることが悔しかった。

 昨秋の近畿大会府予選決勝では九回に追いついたが、延長十回に惜敗した。「自分が打てなかった。負けるということはこういうことかと教えられた」

 高校通算34本塁打の強打者。卒業後はプロ入りを志望している。それでも勝つために意識したのが「チームバッティング」だった。

 「高校最後の桐蔭戦。ベンチ全員で戦いたい」と意気込んだこの日は6打数4安打1打点と活躍した。安打はすべて単打だった。

 小深田君は試合後、目標とした「つなぐ打撃」ができたと振り返った。

 「チームが勝つことが一番大事。今日勝てたのは全員がチームのためにプレーできた結果」と満足感をにじませた。

 次は15日の交流試合で、昨夏の甲子園の決勝で破った星稜(石川)と再び対戦する。

 初めて全国制覇を成し遂げた昨夏は、2年生ながら中軸を担った。だが、自分の納得のいく安打は1本もなかったという。「自分の弱さを教えてもらった。甲子園でもらった課題は甲子園で返したい」

 目指すのはあくまでチームを勝利に導く「チームバッティング」だ。そしてその先に、1本の大きなアーチを描ければ、とも思っている。(浅沼愛)